胃の粘膜を保護





唐辛子というと胃を傷めてしまうという印象が一般的ですが、唐辛子は適量であれば胃を保護してくれます
実際の実験では、唐辛子を食事で摂取するような低濃度のカプサイシンが胃に入ったときは、胃のカプサイシン感受性神経を適度に刺激し興奮させ、これが胃の粘膜の保護に役立つことを発見しました。
カプサイシン感受性神経の活動を活発にすると、胃粘膜周辺の血液の流れが促進され、これが胃の粘膜保護になっているのでは、と考えられています。

そして他の実験で、潰瘍に多量のカプサイシンを投与してカプサイシン感受性神経の作用をなくしたところ、潰瘍が悪化したという結果があります。
これはカプサイシンの摂りすぎはかえって逆効果だという証明でもあります。
つまりカプサイシンの量が多すぎても少なすぎても胃の粘膜保護の効果がないということですが、どれくらいの量が丁度良いのでしょうか。
メキシコでは1人1日に15gの唐辛子を食べているそうです。メキシコ人と日本人の胃の強さは違いますが、日本人での10g食べても問題はないとされています。
しかしこれはあくまで食事としての唐辛子なので、唐辛子だけを食べるのとは話しが違います。唐辛子だけを集中して食べると胃の中でカプサイシン濃度が高くなりすぎて、これも胃を悪くする原因となってしまいます。

日本人はそれほど唐辛子を食べる民族ではありませんが、最近は大辛を好む人を目立つようです。
他の食品と一緒に食べるのであれば心配はないでしょうが、1日10gという数字は目安にしておけば安心です。